Qi, He, Su, Ai & Song, 2023 Lucanus jiaozishanus の新種記載とタケオミヤマについて追記

2023/09/01 追記

コメントにて、学名の誤記載のご指摘を受けました。赤字で訂正しています。
Thank you for your advice. This has been corrected.

 

***

Zhi-Hao Qi, Hao He, Rong-Xiang Su, Hong- Mu Ai, Hai-Tian Song,

Revision of the Lucanus boileaui group and notes on L . takeoi Adachi, 2020 from the L . maculifemoratus group (Coleoptera: Lucanidae: Lucaninae)

 ZOOTAXA.5263.2.4, 240-260, 2023-04-05

 

本論文で、

新種として Lucanus jiaozishanus Qi, He, Su & Song, 2023 が記載、
Lucanus bidentis Schenk, 2013 はボワローのシノニムとして処理、
Lucanus takeoi, Adachi, 2020 について追記

された。

***

Huang & Chen 2010において、外見と生殖器の形態学的特徴を検討した結果分けられたグループのうち、L. maculifemoratusグループとL. boireaui グループは、いわば「姉妹関係」にある近しいグループであるとされたわけだが、この論文では、L. boireauiグループ(以下ボワローグループ)の新種についての考察がメインとして、近縁種の比較検討、その詳細なディスクリプションがなされた。

その新しい種、jiaozishanusは、タイプ産地にちなんで命名された。
分布は、中国雲南省(Yunnan)

♂ 画像(p. 242, fig. 1 より)

♀ 画像(p. 246, fig. 5より)

 

Jiaozi-shan(轎子山/きょうしさん)国家自然保護区の標高2900mの山林で、夕暮れから夜(7時から10時)にかけて採集された個体がタイプシリーズ。
成虫は、マツ科トドマツの幹や地上に生息。

(p. 252より)

摂食行動は確認されておらず、ホストの木も分かっていない。
夜間ライトトラップには来ず、走光性は弱いと思われる。

また、近似の複数種の小型個体
Lucanus boireaui Planet, 1897
Lucanus ludivinae Boucher, 1998
Lucanus takeoi Adachi, 2020
を比較に用い、その差異を詳述した。
その中で、2013年にSchenkによって記載されたlucanus bidentis を、lucanus boireauiのシノニムとした。

新種は、Lucanus ludivinaeに近いが、外見的特徴と生殖器の特徴(鞭毛はやや長く、その長さは前腹節の2倍近くあり、鞭毛の先端は広がらず、短い鞭毛ではなく、もっぱら交尾器の基節[アエデアグス]と同じ長さで、他の4種とおなじようにその先端は広がる)によって、明確に区別できるとした。

L. boireaui ⇒ 同じ種群に属するが、外見的特徴で大きく異なる。
L. maculifemoratusの4種⇒ takeoi, kanoi, kurosawai, ogakii, 生殖器の特徴で区別、分布域も異なる。

 

また、親切な点として、ボワローグループ(♂♀)の検索表が提示されている。

 

タケオミヤマL. takeoiとの比較においては、
2020年に記載されたが、♀は未見、生息地データはアバウトだったため、ここで詳細に追記された。
生息地でのホストとなる樹木が、写真とともに詳述されている。

 

近縁種間の比較時にも述べられていたが、
末尾で再度「Discussion」の項目を立て、SchenkのL. bidentisについて言及し、シノニムとしている。
外見的特徴からホロタイプと区別できない点(ボワローの小型個体)が、主たる根拠。
そして、bidentisの分布域とされる「ベトナム南東部」に疑義を呈している。
また、2023年中に著者のひとりQi氏とShenck氏とのやりとりがあったが、「何らかの理由があるために for some reason」タイプ標本の交尾器を調査することは叶わなかった、と書かれている。(p.258)

**

 

Jiaozi、つまりドラゴンボールでおなじみチャオズ「餃子」と同じ発音だけどピンインが違うという語ですね。

Jiaozi-shanは、「轎子」山(きょうしさん)と訳す模様。

人を運ぶカゴ的なエクイップメントが象徴されている名。

 

しかし、Schenk氏の軌跡を修正するのは、骨が折れる作業だ。

ホロタイプは公共のモノとなるのだから、研究する者が正式にアクセス出来るようにしてもらいたい。

研究者の良心の問題w

Author: jinlabo

3 thoughts on “Qi, He, Su, Ai & Song, 2023 Lucanus jiaozishanus の新種記載とタケオミヤマについて追記

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