トップメニューの【考察DISCUSSION】に「ビークワ補足」のタブをつくりました。
これまでの記事のリンクも集めて、補足する種ごとにまとめのような感じで乗っけていきます。
さて、書きためていたものをUP。
今回はドイツのシェンク氏が記載した、あの異形の深山。
コレこそ、「一見して新種と分かる!」という奴の最高峰。
中国名鬼深山こと、ヴェムケンミヤマについて、です。
余談ですが、
wemckeni、が正しいつづりです。
wemcheniと、「k」が「h」になってるのを生き虫のブログなどでしばしば見るので、ここに指摘しておきます。
本種は、インド東部のアルナーチャル・プラデーシュ州より得られており、稀種として知られていました。
上記でも書いているけれど、かつて、insectnet.comの掲示板で売りに出されたことを記憶している標本家も多いでしょう。
当時のスクショより引用(体長表記白抜き加工済み)
近年のebayでの虫の値段をみていると、あのときの提示額はレア度やサイズを鑑みれば格安だったな~と思い返します。
本種にまつわる葛さんとの会話も、思い出深い・・・。
参考までに、記載者シェンク氏の協力者フランク氏のサイトで、本種の詳細がていねいに紹介されていますので以下にリンクを。
さて、そんなレア種は、ヒマラヤを挟んだ反対側のチベットにおいても発見されることとなる。
かのヤルツァンポ川、インドでいうブラマプトラ川上流の谷間、いわゆる「地球最後の秘境」と呼ばれる辺り。
チベット側で採れ始めたメアレーに混じってヴェムケンもいる!って話は、まだSNSが盛り上がる以前に、ごく私的にネット上で流れてはいたのだけど、ようやくHuang氏&Chen氏らがまとめた著作「参」で明らかにされたのだった。
ちなみに、そんな聖域について日本語で書かれた本は意外に多く~例えばコレとか一気読みできますね。
コレのみならず、ここらへんは興味深い書籍がけっこう出版されてるので、みなさまも是非♪
昨今は生き虫界の技術向上もあって、ブリード個体が、しかも大型を数多く目にする機会が多くなってきました~。
国内ブログでは、生き虫を手がけられてるS-れいんさんが書かれた記事がとても参考になります!
ビークワでは、原記載地のインド個体ペアを図示しましたが、
ここに、チベットの代表個体を並べます。
やはり、深山は1ペアだけ図示するだけでは、ぜんぜん通じないなというのが本心。最低1種1ページ、一種一頁w
スレンダーでかたちが美麗な型。
最大体長の個体。A-
ごついパワフル型。頭冠の側面前方張り出しがパンパない。
総評としては、
インド個体より、印象がちと異なるというか、フォルムがごつく変わってくる感じを受けます。
まだ書いていませんが、メアレーと同じように。
アルナーチャルの個体群って、概してスレンダーになる傾向があるのかもしれません。
とすると、ごつい個体が多いチベット側のほうが、本種の本拠地なのかな~などと思ったり。
それから、この種の「額」の話は以下にさらっと書いていますが、タテイタ系なんてほんとに話にならないほどの、否、スタンド「ザ・ワールド」もぶっ飛ぶほどの絶壁ヒマラヤンです。
この特徴は、本種の大顎と同等レベルの驚異だと思ってますが、みなさまいかがでしょうか。
あと、微毛の濃い薄いの地域変異がある気もしますが、
変異幅が定まらない中ではサンプル数をある程度集めないと「言えない」かなと思います。
その点、灯火に集まりやすいとは言えない本種は、レアなままでいてくれるかなw