Lucanus wemckeni Schenk, 2006
ヴェムケンミヤマクワガタ
Ein neuer Lucanus Scopoli, 1763 von Nord- Indien (Coleoptera: Lucanidae). Entomolohische Zeitschrift, Stuttgart, 116 (6): 271-272., 2006.
TL: Along, Arnachal Pradesh, N India
Huang&Chen, 2017, pp. 8-9.
生き虫のみならず、標本もそこそこ出回ってきまし、『中華鍬甲・参』にもチベットラベルのものが掲載されましたので、満を持して、ヴェムケン、この辺で図示したいと思います。
読み、とりあえず、ドイツ人姓名読みで、個人的に「ヴ」と濁点入れときます。
2007年くらいかな~欧州のフェア帰りの葛さんから「メアレーの根元の歯がえらく発達した、ボーリンフタマタみたいなの、知ってる?」って言われ、「まじすか!?」「へえ~~~~変異とか奇形とかじゃなくて?」「そんなのがいるんですね~~~~~」なんて話して。
その後、海外の掲示板に画像付きで売りに出され、一部マニアの間で話題になった、ってのも遠い昔の話。
近年、Insequest前田氏によって日本へともたらされ、
BE-KUWA・50号(2014)<インドのクワガタムシ大特集>, p.12 で取り上げられ、一般に周知されてきました。
BE-KUWA(ビー・クワ) No.50 2014年 03月号 むし社
これは、50mm代前半の大歯型。
本種最大の特徴は、なんと言っても「大顎の根本の内歯のフタマタ」。
この個体の場合、大顎を閉じ気味に固定しても、フタマタの上側の歯先が前方を向いている!
私は、ヴェムケンの歯型を語る上で、このようなかたちが、いわゆる「良型」ではないかと思っています。
さらには、顎の外側の輪郭線が、気持ち反り気味にうねったかたちを見せる。
個人的に、外向きへの引力に抗いつつも前へと伸長した大アゴ(←分かる人がいたら嬉しい!爆)が大好きなので、この個体は個人評価が高いんですね。
まあ、左顎の顎先付近の巨歯の手前の小さい歯が、右よりも発達していないところはご愛嬌~と思うところであります。
ツヤ具合などは、ドウイロミヤマの和名をとる、L. mearesii メアレーミヤマそのもの、といっていいでしょう。
メアレーも大好きですが、その質感をそのままもっているこのヴェムケン、好きですね。
上記の個体と同じくらいだけれども、もう少し体幹がしっかりして、鮮度の良い個体。
そこそこ太い顎をもっているのですが、顎の根本のフタマタの上の歯先は、上記の個体よりも前を向かないのがお分かりになるでしょうか。
エグい感じが足りない!といいますか、
上記の個体に比べて、僕の目には、マイルドな感じに映ります。
ただ、頭冠が円く発達する感じで、頭のボリューム的にはこちらのほうがいいのかな。
ヴェムケンもさすがは深山であって、個体変異はそこそこあるなという印象です。
同じ美ボディのメアレーの変異たるや、恐ろしいくらいのヴァリエーションですから、ヴェムケンも負けてないくらい個性的な個体も出現するのだろうな~