中国人名の種名

みなさんこんばんは。

いや~アツいですね!フィールドに出てますが、ミヤマに関しては芳しくない2019年夏。

そんなんだから、川魚採りに入れ込んだり、化石発掘や岩石拾いに関心を移して~自然と戯れてるわけでありますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

今年は外国産の生き虫入荷が、なかなかヴァリエーションに富んだラインナップで盛り上がってるようですね。

上げ下げはやーいベトナム便、

いつのまにやらラオス便、

なかなか豊作ミャンマー便、

びっくりありゃりゃの中国便、

堅実安定のインド便、

どこから来てんのチベット便・・・

 

もうね、急速に、そして確実に、時代は変わりました。虫を愛でるスタイルも、いろんな傾向が出現してきてます。

 

****************

 

そんななかで目に付くのが、中国人名の新顔ミヤマたち。

ランミヤマやチョウミヤマやあれこれあれこれ。

ここら辺は、一般愛好家がついて来れないレベルに来てしまった感がありますね・・・。

体系的に、かつ視覚的に、ぱっと見て掴めるようなものを皆様に提示できたらいいのだけど。

いろいろ考えますよ。

やはり、むし社が発行するメディアが、一番影響力があるのかな~

 

などと書いていると、終わらなくなっちゃうので、今日の本題。

中国人名由来の名前について、です。

 

たとえば~以前書いたけど、これ。

Lucanus liupengyui 

刘鹏宇深山

 

Huang氏がまとめた『中華鍬甲』では、

学名の後に和名に倣うかのように中国名を列記しています。

 

種記載文によれば、献名された人の名は、Mr. Peng-Yu Liuさんとのこと。

なので、中国人名読みで種名を読むならば、「リュウペンユウ ミヤマ」って感じになるわけです

 

ただ、Huang氏のミヤマの分類をよくよく見てると、この「リュウ」の名がダブってることが明らかになります。

 

『中華鍬甲』の I の巻で記載されたサパヒメミヤマに近似の

Lucanus liuyei

刘氏深山

 

種の詳細については以下参照。

I :pp. 93- 94/ p. 253, Pl 37, figs. 6-10. 

基産地は重慶Chongqing、貴州省にも産する。

ちなみに、IIでは、亜種名検討ssp. incert として、カオバンヒメに似るsp. liuyeiとする個体群を取り上げた。

II : pp. 4-5/ Pl. 1,  figs. II-1,2,6,9,10.

この種は、Mr. Ye Liuさんに献名されました。

なので、学名をそのまま中国人名で読むならば、「リュウイェ ミヤマ」、

 

学名の後に中国名は刘氏深山と書いてあるので、「リュウさんのミヤマ」って感じになる。

 

いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや

 

先に言及した「リュウペンユウ ミヤマ」だって、「リュウさんのミヤマ」やろ?っとつっこんでみる!

 

すでに刘氏深山Lucanus liuyei で出しちゃったから、Lucanus liupengyui においてもう一回書けなかったんでしょ?

たぶん当たってる。

ややこしいですな~

 

「ヒメ系のリュウミヤマ」

「チベットのリュウミヤマ」

って感じが妥当かな~と思う。

 

ただ、

例えば、たとえばですよ、

日本人で、「佐藤さん」の名をフルネームで複数の種名に付けあっていたら、かなり痛い案件だと、正直思う。

サトウ(なんとか)ミヤマ、

サトウ(なになに)ミヤマ、

・・・まあ、おかしいですな。

 

この案件については、これ以上触れないでおこうと思う・・・。

 

 

 

 

 

あと、これね。

Lucanus hewenjiae 

何氏深山

これ、この夏生き虫で初入荷したみたいですが、

いろいろ確認すると、

なんか、

ヒューエンジーミヤマ」って書かれてますね・・・。

 

 

 

 

 

 

ヒューエンジー

 

 

 

 

 

 

 

 

吹きました。

スミマセン。

 

 

 

 

 

「何氏深山」、中国人名読みだと、「ホーさんのミヤマ」となります。

名を献じられたのは女性、Ms. Wen-Jia He さん。 

なので、中国語読みだと、「ホーウェンジァ ミヤマ」と読めます。

 

記載に関しては、以下参照。

II : pp. 33-34/ Pl. 8,  figs. XXXVIII 1, 2, 3, 4.

 

いずれにしても、中国人名の学名は、

フルネームで覚えようとすると、ちょいと難易度高いので、

ひとまず、「姓の中国人名読み」、で把握するのがおススメかな。

 

例えばサトウミヤマ、マエダミヤマ、ツカモトミヤマ、フジタミヤマ、みたいな感じで。

 

以前、「ドイツ語人名読み」とか書きましたけどね~

シェパンスキーとか、キルヒナーとか、ヴェムケンとかとかとか。

 

人名由来の学名ならば、無理にラテン読みせず、意味の通る(=人名と分かる)感じで認識すればいいのではないかな、と思います。

あくまで認識レベルでね。

学名はラテン読みは基本ですから。

くれぐれもラテン語読みを軽んじてるわけではありませんので、そこのところご理解の上、私の見解を参考にしていただければ幸いです。

 

ではでは。

Author: jinlabo

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください