Lucanus ludivinae, a newly recorded stag beetle from Vietnam, with a description of a new subspecies (Coleoptera: Lucanidae: Lucaninae)
ベトナムからえられたルディヴィナミヤマの新亜種記載
Fei-Yi Xin, Hao He, Xiao-Tian Zhong, Yi-Feng Zhang, Zhi-Hao Qi
Faunitaxys, 12(39), 2024 : 1 – 7.
***
Lucanus ludivinae flavipes Xin, He, Zhong & Qi, ssp. nov.
ルディヴィナミヤマ 亜種フラウィペス
=(キアシ・ルディヴィナミヤマ)
Holotype, ♂ (IZCAS: IOZ (E) 211506), Vietnam, Yên Bái Province, Huyện Trạm Tấu City, phú lương Mountain, 21°35’24”N, 104°17’55”E, 2300- 2440 m, 6.V.2024, local collector leg.
Paratype, 1 ♂ (CHH), same data as holotype but 19.V.2024.
2024年にベトナム北部でえられ、2300m~という標高の高い地域に生息している模様。
原名亜種の生息地である中国雲南省西部やミャンマー北部からみて、そこそこの地理的距離もある。
その名は、脚の色の形態学的特徴にちなんで名付けられた。
ホロタイプのほか、タイプシリーズは1♂のパラタイプのみ。
原名亜種との形態的差異は、以下4点。
1 すべての脛節は赤褐色(ほぼ黒色の脛節ではなく)
2 鞘羽は明らかにえび茶色で、目立った微毛をもたない(黒い鞘羽で見える微毛ではなく)
3 通常、内歯は3-5本(7-9本ではなく)
4 新亜種の腹部は、原名亜種よりも豊か。
紙面には、記録地の地図と、中国種のリストも掲載されている。
***
【所感】
2024年の7月末にこのような論文がありました。
「キアシ」ネタで繋がってきたから、アレはそうだったよな?て思い出し、ようやく見ましたw
この昨年の夏にebayに出されてそこそこ話題になったあれなんだけど、たぶん購入したそれらで記載に至ったというパターン。2♂♂のみで行く、たくましさよ!
ミヤマなんだけど自分的にはあまり惹かれる感じがなくてオファーもスルーしていたんですが、ちゃんと回収してくれる人がいたわけです。それがSchenk氏ではなく、中国の方だったとはちょっと驚きでした。
名付けが、献名ではなく「特徴」でいってもらって、正直嬉しい。
フラウィペス flavipes って学名でけっこう多いんですよ。ミヤマでもついに!って感じ。
ちなみに、flavipesは、 flavus[黄色] +pes[脚]の意。
ピュヒナーも、ノビリス・フラウィペスとかで良かったんじゃない?ってのはさておき、
「キアシ」なミヤマのひとつのケースは、このような「亜種分け」という結果があり得るわけですね。
さて、ルディヴィナ自体は、日本ではミャンマー産が最初に出回ったからそちらの印象が強いけど、元来、原記載は中国なんですよね。
近年、中国のディーラーによって雲南の個体群がようやく日の目を見て参りましたが、みんなどう思う?
というのは、雲南のとミャンマーのって、同じなの?っていう所。概して雲南のはデカいし。
となるとミャンマーのは??
ここら辺、
プロス/ディルクは別種だし、
デラン、ハヤシ、とかは雲南と同じって評価ですけど、
ナンサーなんかはセリケウスみたいな変なのいるし、
ニーシュインなんかは亜種になってるし、
チベタヌス亜種イサキ/亜種シングラリスはもはやカオス、
むずかしい所です。
とにかく、カチンのムシがもはや新規入手が絶望的ってのが、泣き所・・・。