某ブログを受けて、タカクワミヤマについて

え~ここのところ、質問が来たり、SNSでタカクワに言及するのを見かけるようになったので、ちょっとここで書きます。

 

え~最初に断っておきたいのは、タカクワミヤマに関して、個人的な損得などあるはずもなく。

故高桑教授とは私はまったく無縁でしたし、その名前を冠した種類について個人的な損得などで思い入れがあるわけではありません。

ただ、『新大図鑑』で藤田氏によって記載された種ですから、当然のように『ビークワ』では種として扱ったし、故葛氏も含めてミヤマ分かるプロは当時からみなそういう認識でしたから、関わった諸先輩方の共通認識を踏襲してアップデートしたまでです。

 

ただ、匿名氏のブログ、

どれだけクールに読んでも、ちょっと引っかかるどころではなく、かなりモヤる内容。

最後、青字で引用です。

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タカクワミヤマについて言えば、ベトナムからは高標高からキクロマトイデスミヤマと合わせて2種しか判別が少し難しいのは見つからないのだから、真面目に検証すればこんなのはすぐに分かるのだ。

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▶ 「真面目に検証すればこんなのは・・・」って、ことばが過ぎるのでは?

ミヤマファン代表してビークワで関わってる自分は、ひいては本種を記載した藤田氏は、あなたにしてみれば「真面目」にやってないということでしょうかね。

辛辣なご指摘、感謝申し上げます。

 

読む気もしないが読まざるを得ない内容なので、そこから湧き出る思いについてはどうかご容赦願いたい。

もちろん、考え方はいろいろあっていいんだから、私はそれを否定するものではないってことは、声を大きくして言います!

ここでは、ミヤマファンの皆様へ、私の意思表明というところで、戯れ言程度に書きますね。

 

 

では以下、当該ブログは読んでもらえばいいのだけど、とりわけ後半部分がモヤるので青字で引用します。

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2013〜2014年に私は勿論ebayで安価なラオカイ産の個体群資料を入手し、変異幅が様々ある事を理解した。タカクワミヤマクワガタのホロタイプと殆ど同型の個体すらある。色の明暗も変異幅が広い。様々な仮説があったせいで頭が痛かったが、此れ等はタカクワミヤマだろうと見通しを立てた。

▶ ホロタイプと殆ど同型の個体「すら」、って、豪気だな~ホロタイプを手持ちの標本の横に並べて検したの??

「明暗」ってのは、まず、アセトン使って油抜きした標本を用いてから言いましょうか。

それよりも、「コンタミ」についてかなりの頻度で言及しておられるのだが、この「見通し」の根拠となる個体のデータのそれは考えなかったのだろうか。

 基準産地の個体群とは”大まかな外形”では判別出来ない事を理解したので、細部に差異があるか検証が必要となる。分類屋の友人が大型♂のパラタイプ個体を所持されていたので観察させていただいた。内歯の発達などが変わった気分もしたが、タカクワミヤマのタイプシリーズは画像が書籍・ネット上に幾つか出た事もあり、稀型のパラタイプという可能性を考えた。他に注目すべき差異もあまり感じられない。基準産地のサパ産、ラオカイ南方産、イエンバイ産で区別に困る隠蔽種の存在は確認されず、分類可能な程度の差異は無く、此の考察結果に至る。

▶ 稀型のパラタイプと断ずるのは、ホロタイプ観察を重視しておられる姿勢からは、どうもほど遠いように感じられるのだが。葛氏のルートにあった基産地のサパ産の個体の数を見なければ、話は始まらない。

画像での確認に終始とどまり、パラタイプを「実際に目で見る」比重がずいぶんと軽い。何度も言うが、本人はそれを重視しているにもかかわらず、である。

 

 念のためタカクワミヤマについて留意しておくべき点として、タイプシリーズなどサパ産として出ていた個体群に明色型が多い事があるのだが、初期のサパ産(おそらくファンシーパン山)タカクワミヤマ個体群を扱った葛信彦氏からは「亜硫酸ガスで処理された個体群」という事を私自身で直接聞いている。其の処理ならば明色になっても不思議ではないし、或いは地域変異があったのかもしれない。

▶ 亜硫酸ガス処置を「直接聞いた」ってドヤるあたり、ちょっとウケるんですが・・・

ブログに掲載しておられる標本の油抜きでもやったらいかがでしょうw

 

 また葛信彦氏が”キイロホソミヤマクワガタ“として未記載時点で書籍に載せた際の大型個体は頭部〜前胸は黒味がある。また体毛が薄い印象があったが、同報文に載った他の更に毛深い種群の写真も体毛が実際より薄そうに見えたため撮影の条件の問題と考えられる。

▶ 撮影の条件を考えるって、いつもの論調にくらべてずいぶんとディフェンシヴな物言いのように思われるが・・・。

①亜硫酸処理の可能性、②撮影条件の問題、といった状況推論ばかりを重ねてるのは、なぜでしょうか。

 

 諸説あったせいで検証に少々時間がかかったが、結論はタカクワミヤマは普通種でフォルモススミヤマの亜種だという事が分かった。

▶ いやいやいやいや、唐突すぎるでしょう。

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そして驚くのが、続く「追記」。

 

文章から感じ取れる人柄というか、なんというか「誰に書いているの?」感。

さすがにビークワに記事書いている手前、これは私をも不快にさせる内容。

書いた本人は分かっているのだろうか。いやわかんないからこういう風に書くのだろうけれども。めぐりめぐって、私にまで「聞こえて」くるわけだから、いやはや。。。

普通こういうのはスルーなのだけれども、これは当ブログを楽しみにしてくれているミヤマファンへ、私の意思表明として書いていますからね。

 

*****

タカクワミヤマの判別法が拗れたのは、単純な話で本文にも書いた通り高額売買があったからである。基準産地の個体は数少なく、”真のタカクワミヤマというのが正体不明である”という話になってしまって長年経ってしまった。

 そもそも暴落するならば調べがつくまで引っ込めるべきだったのだが、高額で買ってしまったコレクターも、高額で売ってしまった業者も、タカクワミヤマが希少種の座からいきなり「超普通種だぞい(笑)」と言われ降ろされたら立つ瀬がない。

“コレクター”なのにかつがれて超普通種を高額で買ってしまうのも、ボッタクリと銘打たれる業者らも頗る格好がわるい。返品や返金は基本的にしないという暗黙の了解がある文化の業界だから買った側にも責任がある。とにかく業界に閥の悪い話が付き纏う。

▶ 「調べが付くまで引っ込めるべきだったのだが」とは、どこから目線wさぞかし高貴なお立場なのでしょう。ん~「立つ瀬がない」「格好がわるい」ってこういう場合、傍観者が使うことばとしては非常に不適切だし、むしろ具体的に誰を指して言ってるのでしょうか。それを言わないのは卑怯だ。

 

 研究出来たらそれで良い私みたいなのからすれば、相場がめちゃくちゃなのは”色々事情があるのだから仕方ない”と簡単に受け入れられるし場合によりネタにするくらいだが、”体感で高い金額”を使ってしまった人達はそうでもない。長年に亘り諸説が出ていたのは、彼らの個人的な感情や都合が原因に混じっている。

▶ 「研究できたらそれで良い私」なら、研究に没頭してもらって、こういう言説を書くことに時間を費やすべきではないと思いますね。

「彼ら」ってだれのことでしょうか。「感情や都合が原因」とはほのめかすだけでなく、ここまで書いたら書けばいいのに。知りたいな~!その特定の個人や業者に対し、匿名では無く名前出してホットな話題で注目を浴びればいい。

あれなのかな~商業ベース自体を否定する立場なのは分かるけども・・・。

とするならば、商業出版における記載もそうだし、ご自身が今まで受けてきたその恩恵についてはどう考えてるでしょう。これまではOKで今は違うとか申すのでしょうか?その研究さえも、そうした流れの上に成り立っているのを自覚しておっしゃってるならば、それはそれでエクストリーム!

あと、こういうリンク置くの、なんなの、ウケるw

https://twitter.com/terrakei07/status/1563318869506560001?s=21&t=Yr3BzmmsKzmfDw8IckopBw

 タカクワミヤマについて言えば、ベトナムからは高標高からキクロマトイデスミヤマと合わせて2種しか判別が少し難しいのは見つからないのだから、真面目に検証すればこんなのはすぐに分かるのだ。

▶ だから、なんで「2種しか」って、すべて分かった気になっておられるのでしょう?

見たところ、フィールドに出ているようには見受けられないし、ベトナムの山に行くなり現地調査やった事あるなら言ってもいいけれど、どの立場で書いておられるのですか?

実践していない人の話はだれも聞かない。

普通ならスルーだけど、シンプルに疑問です。

ご自身がいろいろ見なきゃだめだって他の記事で繰り返し言っておられるのにもかかわらずである。

「真面目に検証すればこんなのは・・・」ってことについては、冒頭に書いたとおり。真面目に検証しておらず、申し訳ございません。

 

 

SNSの事を非難しているけれども、メディアは違えど、専門家風に冗長なだけで、残念ながら壮大なブーメランなのではないでしょうか。

むしろ、マイワールドに没入する匿名氏のことが心配になる。

・・・もしかして、一連の論考とぼやきのはけ口は、自分に向かっての意識確認という高度な所作なのか?

終始思うのは、「誰に向かって書いているの?」だ。

 

再度記しますが、これは、匿名氏のブログを受けて考えるミヤマファンに対する、私の意思表明

匿名氏のは一つの考え方ですが、

「私はちがうよ」と伝えたいので書いています。

 

さて、私のタカクワの判断基準は以下のポイントです。

 

・頭冠の毛はほぼ無い。(ラオスフォルモサス、イエンバイ個体群は、ある)

・小型個体のカタチはまったく異なる。

・脛節の黒い縁取りがほぼ無い。

 

タイプシリーズ以外でタカクワは数えるほどしかえられていなくて、近年のはちょっと違うということです。

あと、数週間まえにebayで、ライチョウのタカクワが2個体、出品されてましたね。

あれはきっとそうです。

別の機会に、しっかりと提示したいと思います!

 

決めつけて、関わる人の立場を関係無しに強いことばで断じるのは、書いたことの責任は、匿名であっても無くなるものでは無いですからね。

文は人なり、とは良く言ったもの。

老婆心ながら。

 

Author: jinlabo

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