このたび縁あってうちのL. cheni のなかでも大きい子が出ることになったので、記念にいろいろと撮影をしていたのですが、いろいろ書きたくなった衝動を抑えることができなくなり~いじりながら書いています。
このブログ的には、いい傾向、と捉えましょう♪
ミヤマを見ている自分としては、この種の頭部の「つくり」にとりわけ魅力を感じています。
大型種のなかでは、他を寄せ付けないレベルと言ってもいいかも知れない。
繊細さ、ダイナミックさ、そして、エグさ!(←ミヤマにおいてこれはハズセナイ!)
ミヤマの持つ美のすべてが発揮されたかのようなその造形は、まさに自然の神秘。
神の領域。
ただ、この種は、まあ、見た目が物語るとおり、気性が荒いのだろう!
ほとんどが、顎先磨耗、チョイ欠けなんですね。まあ、A- レベルですけど。
それでも、大型は得がたい。
例えば、Huang氏の以下の記載論文(p58, l.19)では、パラタイプ(記載時に検した標本)の体長は、
42―81 mm
とのこと。
今回の個体。
たぶん、本国ではもっと大きいのが採れてる気がしますよ~cheniの産地エリア、東のチベットだけでなく、もっとブータンやシッキムの上の西のほうのでもね。
断っておきたいのは、こうやって図示するのは決して自慢じゃないということ。
本気の趣味をしている同志の皆様には、恣意的な言説ではなく、ありのままの「自然」を認識してもらいたいからです。
「人は自分の知ることしか知らぬ」ってアニメのなかで誰かが言ってた気がするけど、ほんとそうだと思う。
例えば~某大図鑑のプレートで、70そこらで、「最大級の」て表記・・・、笑
気持ちは分かるんですよ、世界でも持ってる人はそうはいない、だれも分からないって。
でもさ、わかるひとがいたら、恥ずかしい。
断言とか、パワーワードは、とりわけ書物とか残る場では使わないようにしたいもんです。自戒を込めて!
そんなことはどうでもよくて。
しかし、上から見る角度をちょっとでもずらすと、かなりちがって見えてくるのは、ほんとすごい。
ひとつ、注目点を挙げるとすると、歯の並び!
正面観ですが、この顔、他のミヤマではなかなか無い特徴が出ています。
なに言ってるのこいつ?って通じない方、申し訳ないです。
言葉では難しい!
ライン入れるとこんな感じ。
細かいノコギリ歯が、顎先の二又の下側のほうの大歯へ流れていくんですね。
で、下側の大歯は、内の上方へと、反りあがるかたちを見せるんです!
分かっていただけるかな~このヤバさ。
上から見ると、アクベシアヌスと変わらない大きい開き具合なんだけど、アクベシアヌス、見てみてください。
こうなってないから!!(↓アクベシアヌス)
似て非なる顎先、これは面白いと思う。
管見では、L. cheni は、じつは60mmくらいから大歯型になっている傾向にある個体は、そのほとんどが、このような顎をもっています。
面白いですよね。
まあ、そんなモデルになってくれたこのとびっきりの子は、本気のコレクターのもとに行っちゃいます~ふふふ。
記録ついでのあれこれでした。
ではまた!