「おれ流~」と銘打ってはや何年、、、!?
だいぶ時が経ちましたし、そのあいだに自分のスタイルも変化しマンネリ化、否、いい意味で、こなれてきたといいましょうか。
乾燥明けのミヤマ標本があるので、それを素材に、標本作製における終盤の作業、すなわち、「針をはずして展足を解く」といった作業について書いてみようと思います。
現在は、以下のような事務所用の「書類入れ」を、標本乾燥用に用いてます。
根拠はないんですが、密封された容器よりも、ちょいと通気性があるほうが乾きが早い気がするので、この箱を愛用してます。
カラーバリエーションが豊富にあるので、種ごと、ロットごとに使い分けができるのもポイント!
で、中身は以下のような感じにしています。
乾燥剤を、空いているスペースには上向きに、標本の上には下向きに設置。
(夏場は乾燥剤の値が高いので、冬場に買いだめしておく!)
もちろん、防虫剤も同時に投入しておく。
うっかり「飛ばしてしまった」口ひげなどのパーツは無くさないように、ペットボトルの蓋に入れます。
あ、コクワがいますね(笑)
50スカスカにしてはやけに太い個体だったのでキープでした。
展足して2週間ほどでしょうか。
〆た個体の生展足でも、ミヤマならば大概乾くかな~と思います。
展足のための針は、極小タッパーに収納して使用。
左は短い通称「虫ピン」、大概虫屋なプロは使わない文房具店にあるシロモノですが、自分は昔から使っているので、なぜかあるという。
無くてもいいんですけど。
右は、志賀有頭針のミックス。
5号などの太いものから、2号くらいまでごちゃ混ぜです。
では、今回はこの個体を素材にみていきましょ~。
このような針のポジションで、志賀針を抜くと、以下のようになります。
あ、ミヤマは口ひげや触角の整形が難しいので、それらには志賀針より長い、パール針を使用します。
針に長短をつけたほうが、安全、かつ上手く整形が可能です。
自分は足の付け根に「虫ピン」を打つ習慣が付いてしまっているのですね。
前にも書きましたが、針の「長短」が自分には重要なようです。
また、昨今は、羽開き防止も兼ねて、胴体の浮き防止に、ここでは「糸」を胴にまわして、プレート板に押さえつけるようにします。
道具に関しては以前の記事を参照。
針をはずしたら、次の作業。
おそらく、ほとんどなされない作業かと思いますが、、、
ブラッシング!
前 後
どうでしょうか、左右の歴然とした変化っぷり。
ミヤマの「微毛」は、標本の美しさのひとつの指標といっても過言ではありません。
その手入れを、「ぜひともすべき!」、というのが私の意見です。
使用するのは、
デンターシステマ。
標本のヨゴレやゴミの除去方法に、筆で払ったり、木工用ボンドを用いるなどありますが、ミヤマに関して言えば、これがベストだと思っています。
いや~日本の歯ブラシはスバラシイ!
(20180907追記)もちろん「ちから加減」というものはあると思いますが、微毛がごっそり抜けるなどという心配はほとんどありません。
鞘羽の縁のみならず、胸部、頭冠、顎の付け根も要チェックです。
顎の付け根も微毛が目立つ場所ですが、口元という場所柄、ちょいとした汚れが多々ある部位でもありますので、ちょちょいとブラッシング。
右側では、汚れは消えていますね。
以上のようにして、綺麗なミヤマの標本が仕上がりました。
その勇姿、末永く、美しく、保ってあげたいものです★