SPRECHER, E., TARONI, G.,
Lucanus cervus depictus
Como: Giorgio Taroni Editore
2004
タローニ氏のもうひとつのクワガタ本。
ヨーロッパミヤマLucanus cervusにまつわる文化的背景をまとめた、非常にマニアックな冊子となっている。
本文は、イタリア語/ドイツ語/英語の3ラインで構成されている。
ワールドワイドな読者への配慮、ということだろうか。
タローニ氏の個人出版ということだが、出版社もご自身の名前とは素晴らしい。
17~18世紀における王侯貴族のたしなみ、“Possessing Nature”~自然を、ひいては世界を掌握する・蒐集する、というコレクターの感覚・スケールといったものをそのままに、引き継いでいる御仁だな~と感心する。
ヨーロッパの中世から近代にかけての文芸、とりわけ視覚芸術のなかにあらわされた「クワガタムシ」をアラカルトで取り上げた内容だ。
”こんなのもあるよ~あ、これもこれも~”という体裁で。
そういうピックアップ感からか、対象となる作品一つひとつについて解説の至らなさに少々物足りものを、少なからず感じる。
しかし、ひるがえせば、そこはそれぞれの専門家の範疇だから(つまりは美術史や博物史、科学史といった学問分野)というところで、ジェネラリストとしての氏の意見を各分野の専門家に敬意を表してあえて表明していない、そんな氏の寛大な配慮からだろう。。。と勝手に思ってみる。
実際、ここでタローニ氏が提示する、いわばクワガタムシの文化誌の中には、美術史的にも重要なものが含まれるのも事実だ。
おいおい取り上げて、なんらかの考察を試みたいと思っている。
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20171215:一部文章を修正。
はじめまして。
文化昆虫学に関心があり、クワガタカブトムシの文化に関する文献を集めている大学生です。
記事を読みこちらの書籍に大変関心を持ったためインターネットで検索しましたが、購入サイトにたどり着けませんでした。つきましては、どのようにしてご購入されたかをご教示いただけたら幸いです。
唐突なご連絡になり申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願い致します。
コメントありがとうございます。
私信しましたので、参考にしてみてください!