ご無沙汰してしまいました!
ミヤマの「顔」について。つまりは、「見た目」のことですけどね。
最近、このことを考える機会が多々あって、どうも逃れられません。
誰しもが、「なになにミヤマ」って言われたら、思い浮かぶかたちのイメージってあると思うんです。
でも、思い浮かぶ「それ」って、
個人個人によって、異なってくると思われるんですね。
それだけ、標準的な「それ」を選ぶ、提示するってのは、難しいと思うんです。
たとえば、ツカモトミヤマL. tsukamotoi を例に挙げましょう。
左は顎先の開きがそう大きくない、中のはそこそこ、左は顎先が伸びているので大きく見える(開き自体は中のと同じくらい)
左はマイルド、中は歯が多い、右は歯が少ない。
左は顎が円弧を描く、中は顎が太い、右は顎先がスマート。
左は頭冠が丸い、中は縁が伸びて下がる、右は中のと同じかんじ。
左は明るい茶色、中は暗めでスレ気味、右はその中間。
などなど・・・、
顎、頭部のかたちや体色を見たとき、いろいろちがいが見られます。
こうした着眼点は、体長が同じくらいという前提条件をクリアした上で「何通り」にも組み合わせ可能。
100も200も見ていると、本当にいろいろな条件を確かに体現する個体が出てきます。
こうして数をみると、実際、「種」として、標準的な顔とはどういうものなのだろう、と思えてくるわけで。
ふつうは、そうした変異の幅の中間、ようするに、平均値を標準的、と言うのだろうけれども。
しかし、私的には、、、やっぱり、種の特徴がよく出た美しい個体のなかでの平均、を選びたいな~と思うわけです。
よって、自分の判断では、上の3匹のなかに、標準的な顔の子は、いない!、という結果になります。
こうやって標本を長くやってると、「自分の理想とするかたち」のイメージがかたちづくられてきます。
かつて、「これはすごいよ」とか、「最大級」とか、いろいろ宣伝文句つけられたものを見てきたけど(買わされてきたけど!)、
いろいろ数を見てくると、そういったのを判断する「ものさし」が熟成されてくるんですな。
こういうのって、虫だけじゃないけどね!