大暑を過ぎてようやく気温が上がってきたとはいえ、雨続きの東北です。
いまいち盛り上がらない。
セミの鳴き声すら聞こえない。
静かな静かな山のなか。
例年になく、ポイントの地面はぬかるんでいる。
小鍬形 Dorcus rectus
顔を出している。
どこか炉惑いがちに。
なにやら空の様子をうかがっているかのようにも見える。
寄ってみる。
「雨、上がっ、ってないね。」
たぶん、そう言いながら、奥へ潜ってった。
コクワさまに言われるまでも無く、この山においてこういう感じの空気の時は、おおよそ、本命のLucanus様の不在の傾向は高い、と感じている。
実際に来て山に入らないと、その「空気感」ってのは分からないのが難しいっていうか、どうしようもないポイントなのだけどね。
まあ、はずしたときは、木を蹴りながら、ちょっとブルーになってしまいます。
案の定、Lucanus様がよくいる定位置には、彼らの姿はない。
そこには、ジースー。
条鍬形 Dorcus striatipennis
彼女をふたり連れたやり手な奴だ!
なのに、いち早く、落下するのは彼。
ドンマイ。
樹液を貪る女子たちは、カメラの接近なぞ何処吹く風。
そ知らぬ顔で宴を続けていました。
その図太さ、どれだけ種を守ることに寄与しているのだろう!じつに興味深い。
ジースー、コクワな黒虫が圧倒的に多く、ノコがそこそこ、ミヤマはゼロ。
うーん。ここのところの天気を読むのは、とても難しい。
去年の二の舞になってしまうのか。
いい個体に、ただただ、めぐり会いたいのです。
さて、夜から朝方にかけて、低気圧が来る。
七月も終わる。