最近少しずつ虫に手が向き始め、未展足の標本を展足しているのですが、軟化作業をやっていてしみじみ思ったので書いておきます。
アイキャッチ画像に載せましたラベル、ミヤマをそこそこやっておられる方は持ってるかな。
故Werner氏の採集ラベル、です。
2000年、ってつい最近のような感じがしてますが、もう20年前なんですね!
貴重だよな~と思いつつ、パッキングを開けるのだけど、なんというか、ホコリやら泥やらいろいろなものが付着して、とてもばっちい!
汚すぎて、写真撮るの忘れましたq(T▽Tq)
同じロットの標本は他にもあるけれども、これだけ、この個体だけ、汚さMAXで。
ssp. judaicus の中型の標本なのですが、ここまで汚いのはなかなか無いな~。
軟化・洗浄。。。
あれですね~
何ごともだけど、ばっちいのを綺麗にするのって、「愛」がないとできないな~って思いました(笑
幸い、この標本に「腐り」はなく、とても綺麗なコンディションに復元できました。
さて、土をとった後の、いわば、第二次-洗浄タッパー(お湯)の状態です。
これ、クモの巣。クモの糸。
汚れにも、泥や樹液のこびり付きやダニの死骸や・・・いろいろあるけれども、こういうのも時たまあるんですよね。
手馴れた同志は経験あるかと想像します。
水気を吸わせて軟化させたクモの糸を、各個にぺりぺりピンセットで除去する、といった流れで。
日本で言うところのオニグモの硬い糸なので、けっこう容易に取り除くことができましたね。
しかし、ね~あらためて汚れの写真など撮る奴なんていないと思うけど、これら、20年前の汚れなわけですよ。
20年前の、トルコの、ユダイクスが活動している場所の、クモの巣!!!
今は亡きWerner氏がその手で採った、そんなクモの巣まみれな個体。
ユダイクスよ~クモの巣にかかって糸まみれだったんかい!ってね(笑
灯火採集の個体だったのかな。
その状況は、当時、氏の記憶に残っていたのかな。
標本には、そんな当時の採集状況を想起させるような「ちから」があるよな~と思いますね。
実際、みなさまも経験済みだと思うけれども、自己採集個体って、みな、その当時の思い出コミコミですよね~プライスレス♪
標本って、深いと思う。
ではでは。