Description of Lucanus chengyuani sp. nov. from Taiwan, with a Key to the Species of Taiwanese Lucanus Scopoli(Coleoptera: Lucanidae)
Liang-Jong WANG, Hsin-Ping KO
Japanese Journal of Systematic Entomology, 24(2): 257-263.
November 30, 2018
*****
台湾から新種です。
いるんですね、未だに・・・
台湾の深い自然には、まだまだ知られてない神秘があるのか。
昆虫熱が台湾でも盛り上がってきたここ数年、商業的なほうばかりが注目されてた感が個人的にはあったのですが、こうして「出てくる」と、なんか安心します。
カタチ的に、ヒメミヤマ系Lucanus fortunei group 確定ですね。
個人的な見方を記しますと~
① このギザギザの顎型は、広西自治区とか広東・福建省といった本土南部のヒメミヤマ系の小型個体が示すカタチ、に見えてきます。
小さくなると、ギザギザの子って結構いるんですよね。ここでは比較UPしないですけど。
② また、特徴的な黒くて毛の無い質感的には、そのプロポーションもあいまって、中国本土のパリー&ラエトゥス sp. parryi & laetusにも見えます。
③ それから、最初、中部ベトナムのゲアンミヤマsp. ngheanusの小型個体、を連想したんですよね、気持ち。
もちろん脚の長さとかプロポーションがけっこう異なるのは明らか。前胸のかたちなどだいぶ異なりますしね。
ただ、気持ち、なんかどことなく、違和感的なレベルでね。
④あと、他人の空似ってかんじで、欧州のsp. cervusの小型なんか激似だな~とも思ってます(笑
*****
あとこれはね、「台湾の中の種で近縁をどうこう比較検討する」といったレベルに留まらない、いい種だと思います。
ベトナムから中国南部(広西・広東・福建省)から、南西諸島(奄美大島)ラインっていうか、
ドンミヤマ sp. dongi ~アマミミヤマsp. ferrieiのラインの中に、「台湾ミヤマ」種formosanus sp. がどうかかわるのかって問題にリンクしてくるような感覚があります。
アマミシカRhaetulus recticornisが中国本土の種とどう関係するか、といった問題もそんな感じありますもんね。
台湾。
古くから知られているのに、新しい!
Special thanks, Dr.Wang !