今年は現地ベトナムは雨の影響も甚大で、グラディウスsp. gradivusはほとんど獲れなかった模様。
最近では、理系論文の執筆者が補足解説するサイトなども出てきていますね~そんなノリで、
昨年末発行の記載論文に載せきれなかった内容、すなわち両者の違い The difference between the two sp. ~fujitai and gradivus を視覚的に図示したイメージ
を、ここにご紹介したいと思います。
記載論文はこちら。
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決定的な違いは、両者の良く似て非なる「頭部」の細部形状にあります。
① 頭部の、いわゆる”頭冠”の張り出しの形状が緩やかか尖るか。
フジタ sp. fujitai ⇒張り出しは緩やか(末端で下方へ下がる)
グラディウス sp.gradivus ⇒張り出しは尖る
② 頭部の前方、“額”の中央部が隆起するか、隆起しないか。
フジタ sp. fujitai ⇒ 中央部分が隆起する。
グラディウス sp.gradivus ⇒ フジタに比較して平坦で、ゆるやかに弧を描く。
この2点が、ぱっと見でわかる、二種間の大きな違いです。
側面からの観察では、あまり違いはわかりません。
【頭部末端の跳ね上がり】ぐらいかな~でもよく見ても比較しなきゃわからないレベルです(笑
フジタsp. fujitai
グラディウスsp.gradivus
もちろん、大顎のかたちは、違いが出てくる点ではあります。
グラディウスのほうが
・張り出すとか、
・大顎にツヤがあるとか、
・より鋭いとか、
・先端がより開く、
・内歯の位置が~
など、もろもろありますが、コレについては個体差が大きいです!
大顎について、共通する傾向をしいていうならば、
フジタよりもグラディウスのほうが、くの字に屈曲する点が上に来るな~という感じですね。
つまり、大顎の長さを10として、【根元から屈曲部:屈曲部から顎先】っていう比率で表すとするならば、フジタ【2:8】、グラディウス【3:7】みたいな感じでしょうか(笑
もう少しサンプルが必要です。
以上のポイントを踏まえると、容易に区別できるかと思います!
左から2番目がグラディウス、あとはフジタ。
あと、比較検討で大事なのは、同じくらいのサイズで比較するということ。
深山の常ですが、サイズが違うと、ほんと特徴の出かたとか、比較にならないほどちがいますから!
小さい個体の比較などは、恐ろしいほど困難です。戦慄モノです。
以上、簡単ではありますが、フジタとグラディウスの違いをめぐっての補足説明でした!