Lucanus (Pseudolucanus) imitator Boucher & Huang, 1991
イミテーター ミヤマクワガタ
Pseudolucanus imitator Boucher & Huang, 1991
= Pseudolucanus bicolor Schenk, 1996. syn.n.
: SE Tibet
Huang & Chen, 2010, pp. 166-168
チベットに生息する珍奇な歩行性深山。名の「 imitator」 は、もちろん、imitate(似せる・模倣する)からとられている。
ここで「イミテート」、すなわち真似っこされたのは、だれか?(命名者が、そう理解しただけなんだけどね!)
それは、北米に産するカプレオルスsp. capleorusに他ならない。
名前はともあれ、【北米】と【ヒマラヤ裏(北側)のチベット】において、外見的によく似た種が存在するという事実。
これは非常に興味深い現象だ。
標本をいじっていて気づくのは、
同じくチベットに産するランミヤマ sp. langiに似てる(と感じる)点だ。
体長は、♂で40-43 mm (2010の時点)と記録されているが、一枚目はそのクラス。
それよりも大きい以下のような個体を検すると、よりランミヤマに近づくように感じる。
もちろん、赤褐色な体色は決定的に違うのだけれども。
大顎の内側のラインはカプレオルスsp. capleorusのようにスムーズな円弧を描かない。
つまり、大顎の根元に、突起(盛り上がる部分)がある。
これは、ランミヤマにも通じる特徴だ。
また、
中国名は「短顎深山」とされている点を考察するならば(笑
以下に図示するような別個体を見てみると顕著な、顎先。
顎先はやや丸くなって、鋭く尖らない。
野外活動の結果、摩耗して丸くなった訳ではないのは面白い特徴だ!