奥田則雄・前田 健
「インド北東部アルナーチャル・プラデーシュ州で得られたミヤマクワガタ属の2新種とフタマタクワガタ属の2新亜種」
『月刊むし』No.544, Jun, 2016, pp.19-26
N. Okuda and T.Maeda
“Two new species of genus Lucanus Scopoli and two new subspecies of the genus Hexarthrius Hope (Coleoptera, Lucanidae) from Arnachal Pradesh, northeastern India ”
Grkkan-Mushi, No.544, Jun, 2016, pp.19-26
◆ Lucanus adi sp. nov.
L. lesnei に近似の種。
数を見ていないのではっきりと意見できないが、微妙に異なる感じは受ける。
でも、産地を言われなければ、形態的な違いに眼が行かないであろうくらい、近似。
◆ Lucanus izindui sp. nov.
スレンダーなフォルムをもつチベット側のL. cheni に比較して、質感やフォルムでだいぶ違う印象を受ける。
こちらのほうが、むちっとずんぐり感がある。別種でいいと思う。
大型個体では、大顎の先端がへら状に発現するのが特徴のひとつか。
この種の系統を鑑みるならば、おそらく大歯型は65mmUPから。
最大は80mm近くなるだろうと予想される。
ちなみに、こうした「鼻状突起」をもつ「テングミヤマ」系の種において、その突起の形状は、決して体長には比例するものでもなく、かつ個体差もなかなか豊富!
なので、種レベルで分類する際、この鼻状突起の形状をもって分類要素とするのは、個人的にはなかなかデリケートな、注意を要するところだと考えている。
もちろん種の基本フォルムは確実に存在するのだけど、100匹200匹並べてようやく見えてくる、そんな感じを受ける。
それって「国産ノコギリクワガタ」の顎のバリエーションくらい連続的なシロモノで。。。
さらには、それにも収まらないような変異も出てくることもある。
自然は、やすやすと人の想像を超える。超えてくるんです。
Special Thanks to Mr. Okuda & Mr. Maeda.