アクベシアヌスの新聞記事

アクベシアヌスミヤマクワガタ Lucanus cervus akbesianus が乱獲で絶滅の危機にあると、9月2日(日)の日経の朝刊(イスタンブール共同)に出た。

ムシキングのくだりについて。

環境団体のメンバーのコメントで、ムシキングブームで乱獲が進んだのが原因との文脈があるのだが・・・。

この人。小学生がアクベシアヌスを飼育すると思っているのだろうか???

ランバ・ラル的口調で、はっきり断っておきたいのは、

たかだかカードゲームで興味を持った小学生が飼育できるシロモノではないのだ、
アクベシアヌスは!

ということ。

飼育技術が格段に向上した今日でも、ワインセラーを利用したりして低温環境が前提だし、
ミヤマLucanusという種類は、大人でも飼育が難しい部類に入るものなのだから。

ましてや、そもそも生きているアクベシアヌスは、大型の成虫ペアならウン十万。犬や猫が簡単に買える額だ。(2007年現在)

金額的にも、
飼育技術的にも、
とても子供が扱えるような種類ではないことは明らかだ。

日本人に対する不信感を、「ム・シ・キ・ン・グ」の影響!などと、容易に結びつけてのたまう・・・なんて浅はかなんだろうと、思う。

 

さて次に、

掲載された写真の問題だ。

9月当時に掲載された写真には、「現地の環境団体提供」と書かれていたのだが・・・以下画像。

(⇒ むし社提供の画像を差し替えた、更新記事が後日でた事実がある!

ここで、保護を訴えている現地の団体が提供した写真はというと、これがまたアクベシアヌスとは違う種類だったのである。

そう。

出元から、間違えている愚かな事実がここにあからさまに示されているのだ。

その違う種類のクワガタはというと、トルコには、いるはずのない、
インドネシア・スマトラ島産のリノケロスフタマタクワガタである。

 

 

この点については、当時ネットで多くの愛好家が指摘していた。

愛好家でなくとも、少々クワガタの知識のある素人目に見ても、あからさまなものだったから当然である。

 

 

しか~し、まってくれ。問題は違うところにありはしないか!?

トルコ現地の活動団体なのに、絶滅寸前だと訴える地元のクワガタの形を認識していないでいる事実。

これ、深刻な問題じゃないか?
例えるなら、

日本のトキが絶滅の危機だといって、フラミンゴの写真を出すような感じ、かな。

こうした態度に、ムシに対する関心、ひいては保護精神というものを見出すことは難しい・・・

仮に、やらせだとしたら、背後になにがあるのか?

この現地の団体、

その実態も良くわからないし、
「保護活動」という建前の裏には何があるのだろう、とさえ穿ってみてしまう。

憶測は事実を生まないが、

単なるお役所仕事だとしても、お粗末極まりないとしかいえない。

そして最後に。

もっと大事な問題。

希少な昆虫として扱っていながら、、、
詳しい生息地を公表してしまった点
に関して。

担当者よろしく、 「絶滅の危機」 (←ホントかよ??)にありながら、
アクベシアヌスが採集されている産地を
世界にさらしてしまったのは
・・・・・・・・・・・・・・・・・なぜか???

アクベシアヌスの標本についているラベルでさえ、
(詳細産地を教えたくないためだろうが)

【Syria/Turkey】
つまり、シリアとトルコの国境付近ってあいまいなモノなのに!!

金になるムシの生息地を公表することは、金儲けのために採集する人を、呼び込んでしまうということに気付かないのか???

そのへんを考慮する頭脳をもっていないのか。それとも天然なのか。

結果、“資本主義的経済システム”を、のんびりとしたトルコの片田舎に導入することになってしまい、現地民を使った過度な採集を誘発する。

これまた、この団体メンバーの言う「絶滅」を、むしろ、促進することに他ならない!

子供でもわかるような簡単な理屈を、どうして大人、しかも保護を訴える団体がわからないのだろうか。

ほんとうにヤラセを疑うレベルだ。

危険を冒してまで治安の悪い現地に乗り込んでまで採集する、本当に「研究目的」の愛好家などごく僅かだし、そうやって採集される虫の数も、たかがしれている。

仮に現地人を使い、採集させているとしてもたかだかワンシーズン、徹底的に根こそぎ採り尽くすようなものではないはずだ。

ひと夏に、ケースいっぱい、バケツいっぱいの
カブトムシやクワガタを採ったからって、絶滅しますか??

重要なのは、虫の生息地・その環境であって、ひとが捕まえるといったことはほとんど問題にならないはずなんだから。

そういう自然を理解しないずぶの素人の発言を、そのまま取り上げるメディア。

警告を呼びかけたはずが、金になる情報を流すこととなり、乱獲を扇動しているに等しい。

いずれにしても、こうした自然保護を口実にした「偽善」には、本当に腹が立つ。

世の中、そんな奴らが多くてうんざりしてしまう。

みんなエゴの押し付け合いをして、マウント優勢、「勝った気」になるのがそんなにうれしいものなのでしょうか。。。?あさましき人の世。。。

さてさて、
ちなみに、トルコに関する情報は以下が有益。

おわり。
暴言失礼。

Author: jinlabo

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