ミヤマのimage 古典②~ プリニウスの『博物誌』

邦訳を、もうひとつ。

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プリニウス『博物誌』

プリニウスの博物誌 全3巻

プリニウス / 雄山閣出版

 

中野定雄ほか/訳,雄山閣出版,1986年,(Ⅰ)496頁

(引用)
カブト虫そのほか
[97]三四 ある種のものは、はねが殻の外被によって守られている。たとえばカブト虫である。これらの種にあってははねは薄くて弱々しい。彼らは針をあたえられていないが、それらのうち大型の一種類には非常に長い角があり、それは二本の岐をもち、その先端には鋸歯状の爪があって、自由にそれを閉じ合わせて噛むことができる。それらは実際お守りとして子供の首のまわりに吊るされる。[98] ニギディウスはこれらをルカニアの雄ウシと呼んでいる。・・・ 

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「ルカニアの雄牛」

・・・カッコいいネーミングだ。

しかし、プリニウスの観察眼には恐れ入る。

上記に引用した記述のすべて、それはまさにLucanus cervusそのもの。

なんて明解なのだろう!!!

初期近代にたるまで欧州の知識人・博物学者らがたよりにした、世界を把握するための古典『博物誌』。

その卓越した好奇心によって記述された自然の姿は、まちがいなく、今日のわれわれにも通じるものとなっている。

プリニウス
万歳!

Author: jinlabo

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