Arrow, 1949

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ARROW., G. J.
The Fauna of India including Pakistan, Ceylon, Burma and Malaya
:Coleoptera, Lucanidae & Passalidae

Vol. IV
London, 1949

パキスタン、セイロン、ミャンマー、そしてマラヤを含むインドのファウナ(動物相)
:甲虫目クワガタムシ科&クロツヤムシ科

(本著については2007年の記事で紹介しておりましたが、画像付きで改稿です!)

Genus Lucanus
: pp.41-63

以下のような種が、本文中で論じられています。

1. Lucanus laminifer ラミニフェルミヤマ
2. Lucanus lunifer ルニフェルミヤマ
3. Lucanus furcifer, sp. n. フルキフェルミヤマ
4. Lucanus fryi フライミヤマ
5. Lucanus smithi スミスミヤマ
6. Lucanus villosus ヴィロサスミヤマ
7. Lucanus cantori カンターミヤマ
8. Lucanus mearesi メアレーミヤマ
9. Lucanus fairmairei フェアメールミヤマ
10. Lucanus groulti グロールミヤマ
11. Lucanus dohertyi ドヘルティミヤマ
12. Lucanus westermanni ウェスターマンミヤマ
13. Lucanus atratus アトラトスミヤマ
14. Lucanus oberthuri オーベルチュールミヤマ
15. Lucanus lesnei レスネミヤマ
16. Lucanus gracilis グラキリスミヤマ
17. Lucanus singularis シングラリスミヤマ

 

Arrow(1949)の標本プレートがもたらした問題

ここで、わくわくするような白黒のプレートが図示されたのですが、これがまた、後世に尾を引く問題を引き起こすことにつながりました。

 

 

まず、ひとつめ。

Plate III    4. Lucanus furcifer, sp. n.

いわゆる、【フルキフェルミヤマ問題】、です。

ここで新種として図示されたこの【4番の標本】。

なかなかのインパクトをもって世に知られ、藤田氏の新大図鑑に至るまで、日本の研究者の著作にまで引き継がれることになりました。

つまり、現在日本のクワガタ愛好者の皆様が脳裏に描く【フルキフェルミヤマ】のイメージ、それをこの標本が担っている、そんな事実があるわけですね。

 

近年、『中華鍬甲』の著者Huang氏が、このもろもろを整理し、現在に至ります。

後日、順を追って論じます。To be continued…

 

 

ふたつめ。

Plate IV    5. Lucanus fairmairei Planet, ♂

これは、このブログですでに説明しました、【「フェアメールミヤマ」問題】。


この【5番の標本】のイメージ。

このプレートによって、Lucanus fairmaireiの学名が当てられる種が、この【5番】のカタチの種になり、<Lucanus fairmairei =【5番】の種>として、後世に引き継がれていきました。

日本のクワガタ愛好者のあいだでは、ずっとこの認識でした。

ツカモトミヤマL. tsukamotoi も、旧大図鑑でこの名で掲載されたことは大きな事実として残っています。

それを引きずって、2000年頃はラオスのツカモトミヤマなんかもこの名でフェアで売られてたりもしていましたね~。

ですが、この【5番】は、Lucanus fairmaireiの記載論文で、挿絵に描かれた種、つまり中国産のとは異なる種だった、のです。

 

詳しくは、以下をご参照ください。

 

ということは、この【5番】のミヤマは、ずっと名無しだったってことになりますね!そのことも書きました。

 

Arrowの本文のp.54のLucanus fairmaireiの説明をみると、

産地は〈BURMA: N Chin Hills...〉 すなわち、〈ミャンマー:チンヒル北部〉、とあります。

 

なので、近年Schenk氏が記載したミャンマーのsp. chinhillensis チンヒルエンシスでいいでしょう。

 

*****

ちなみに、出版年は記載が無く不明なのですが、インドの出版社より、後年リプリント版が出版されています。

画像左がロンドン版(1949年オリジナル)、右がインド版(リプリント)

リプリント版は、オリジナルよりも、装丁が一回り小さい。

ともかく、古き良き時代の大英帝国の覇権、インドにおける植民地政策を夢想しますね。

ただし、このリプリント版、

巻末の標本プレートの質が良くありません!

「白い光沢紙」を用いたオリジナルに比べ、リプリント版のは、標本の陰影がわからないほどに黒インクでべったりつぶれてしまった、ファクシミリなコピーとなってしまっているのです。

フォルムを把握するくらいでしょうか~

残念ながらあまり標本プレートとして参照する用を成さないので注意!

 

Author: jinlabo

2 thoughts on “Arrow, 1949

  1. Hi, thanks for very good informations.
    Here is a suggestion.

    incorrect text.
    Plate IV   5. Lucanus faiemairei Planet,♂

    faiemairei >>>> fairmairei

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